展示品のご案内

名称:
黄色鶴首徳利
(おうしょくかくしゅとっくり)
時期:
江戸時代
技法:
宙吹き

鶴の首のように細く長く伸びたラインが特徴の、長崎で作られたびいどろの徳利。ポルトガル語のVidroを語源とするビードロは、江戸時代の薄い吹きガラスのことで、無色のガラスを作ることができなかった時代に作られた、素朴で繊細な有色のガラス製品を指します。

黄色鶴首徳利
宙吹き技法

型を一切使わずに、吹き竿と金ばし・その他の補助道具だけでガラスを成形する技法のこと。熔けたガラスを吹き竿に巻き取り、息を吹き込んで膨らませながら、出来上がりをイメージして形を整えていきます。手吹きとも呼ばれるこの技法によって、日本で初めてのガラス容器は生み出されました。

名称:
緑色竹筋文四方蓋物
(りょくしょくちくきんもんしほうふたもの)
時期:
江戸時代
技法:
型吹き

江戸時代の型吹きガラスには、見事な形や文様をあらわしたものがあります。この蓋物は緑色を銅で発色させ、身と蓋とでつながった竹の文様を青々と浮かびあがらせています。

緑色竹筋文四方蓋物
型吹き技法

熔けたガラスを吹き竿に巻き取り、型の中に吹き込んでガラスをなじませ、その型の模様や形を写し取る技法のこと。型には石型、粘土型、木型、金型など様々な材質のものが用いられますが、現在では一般に木型か金型が使われており、大量生産される場合には耐久性のある金型が使われます。

名称:
切子霰文大鉢
(きりこあられもんおおばち)
時期:
江戸後期~明治時代
技法:
切子

直径約30㎝もある最大級のぎやまん大鉢です。これほどに大きく、見事な霰文が施された鉢は他に類がありません。鉛ガラスのため、重さも最大級。これら切子の鉢は側面だけでなく、底面にも入念なカットが施されています。

切子霰文大鉢
カット(切子)

ガラス器の外表面を研磨剤で水を付けながら、回転円盤(グラインダー)に押し付けて文様を彫る技法のこと。幾何学的な文様構成が特徴です。円盤は断面の形やサイズが様々あり、これらを使い分けることであらゆる文様を生み出します。日本では切子と言われ、幕末から行なわれてきましたが、明治10年代までは手摺り技法が用いられていました。

「びいどろ」とは

ポルトガル語のVidro(ヴィードロ)に語源を持つ、江戸時代の薄い吹きガラスのこと。無色のガラスを作ることができなかった時代に作られた、素朴で繊細な有色のガラス製品を指します。

「ぎやまん」とは

金剛石を意味する、オランダ語のDiamant(ディアマント)、ポルトガル語のDiamante(ディアマンテ)が語源。金剛石をガラス切りに使用したことから、特にカットガラスや無色のガラス、厚みのあるガラスを言います。